1:2018/05/25(金)22:30:24 
彡(゚)(゚)「ここがあの世か…薄暗いし辛気臭いし嫌な場所やな」

彡(-)(-)「みんなテンプレ通りに死装束、額に三角の布、首には頭陀袋下げて麻幹の杖…ワイもその格好や…本当に死んだんやな」

彡(゚)(゚)「みんなゾロゾロと歩いて何処へ向かうんやろか…ん?」

彡(゚)(゚)「あそこにおるのは原ちゃんやん!おーい!原ちゃーん!」



5:2018/05/25(金)22:32:51 tat
(´・ω・`)「あ、おにいちゃん!こんなとこで会うなんて」

彡(゚)(゚)「ほんまやで…死んでもまた会うとはなぁ、ホンマ腐れ縁や」

彡(゚)(゚)「ワイはお前の葬式の手伝いさせてもろうたで」

(´・ω・`)「知ってるよー!棺桶の隙間から覗いてたからね」

彡(゚)(゚)「変なとこから覗くなや」
16:2018/05/25(金)22:36:39 tat
(´・ω・`)「それはそうと、おにいちゃんさ、お香典の中から1万円パクったでしょ」

彡()()「な、なんでそれを…」

(´・ω・`)「棺桶の隙間から覗いてたから何でもお見通しだよ」

彡(゚)(゚)「またそれかいな…いやな、帳簿預かってたのがネガシマやったろ?香典数えて帳簿調べてて、どうしても1万円余るなーどうすればいいんだーって半泣きになってたんや」

彡(^)(^)「だからワイが1万円取ったら、香典と帳簿の数がピッタリになった!って、えらい喜んどったわ」
20:2018/05/25(金)22:37:30 Nl3
横領自慢で草
21:2018/05/25(金)22:37:51 tat
彡(^)(^)「まぁ、一種の人助けや!」

(´・ω・`)「違う気がするけど」

(´・ω・`)「それで、なんで僕の葬式にきてくれたおにいちゃんがここにいるの?」

彡(゚)(゚)「ワイか?先日マッマからサバが送られてきてな、こう見えても包丁扱えるから半分だけ捌いて骨つきの方は閉まって捌いたサバを食うたんや」

彡(゚)(゚)「そしたらそのサバにあたってしもうて、そのままスーッとコッチに来てもうたんや」

(´・ω・`)「計画通りなんだろうね(それは災難だったね)」

彡(゚)(゚)「いざあの世に見ると心残りってのがあるもんやな」
22:2018/05/25(金)22:39:38 tat
(´・ω・`)「あの世にきた人達は、みんな何かしらの心残りがあるもんだよ」

(´・ω・`)「おにいちゃんの事だから、どうせHDDの中に入れてるイヤラしい画像消し忘れたとかでしょ」

彡(゚)(゚)「アホか、んなもんもう関係ないわ!もう死んでるしな」

23:2018/05/25(金)22:41:15 tat
(´・ω・`)「じゃぁなんなのさ」

彡(゚)(゚)「半分残しといたサバがあるやろ?同じサバ食って死ぬんやったら全部食えばよかったなーって」

(´・ω・`)「しょーもな」

彡(゚)(゚)「それはそうと原ちゃんはなんで死んだんや?葬式行ったけど死因知らんねん」

(´・ω・`)「僕って死ぬ少し前に風邪を引いてたでしょ?」

彡(゚)(゚)「確かに、鼻ズルズルいわせて咳もゴホゴホうるさかったわ」
24:2018/05/25(金)22:43:14 tat
(´・ω・`)「でしょ?だから行きつけの小笠原病院に行って診てもらおうってことにしたの」

彡(゚)(゚)「あそこの医者は名医やからな、風邪なんて5秒で治してくれるやろ」

(´・ω・`)「でもね?その日は異常に混んでてね…病院で待ち時間長いって嫌でしょ?他の人の病気が感染りそうで」

彡(゚)(゚)「まぁ、わからんでもないな」

(´・ω・`)「別の病院に行こうって思ってたら小笠原病院の裏の方に診療所があるの思い出してね」

彡(゚)(゚)「あの薮田診療所にいったんか!?あそこはヤブ医者と名高いとこやで!!薮田だけに!」
26:2018/05/25(金)22:45:36 tat
(´・ω・`)「薮田診療所の上を飛んでいく鳥はバタバタ急死していく逸話もあったね」

彡(゚)(゚)「なんでそんなとこに行ったんや…」

(´・ω・`)「ヤブ医者の名前の由来って沢山あるけど、その中の一つで『風で藪が揺れる』風邪でヤブが動く、風邪っていう小さなことしか診させてくれないからヤブ医者って」

彡(゚)(゚)「そんなんもあるんやな」

(´・ω・`)「だから、風邪くらいなら大丈夫だろうと思って薮田診療所に行ってね、とんぷく薬貰ってきたの」

彡(゚)(゚)「ほうほう」
27:2018/05/25(金)22:46:37 tat
(´・ω・`)「いくらヤブ医者って言ってもとんぷく薬なら大丈夫でしょって家に帰って思って飲んだのね」

彡(゚)(゚)「それで、効いたんか?」

(´・ω・`)「効いたかどうかはわからないよ?だって、そのままスーッとコッチに来たからね」

彡()()「」
28:2018/05/25(金)22:48:02 tat
彡(゚)(゚)「とんぷく薬で死んどるやんけ!!」

(´・ω・`)「だからあのヤブ医者のとこに化けて出てやろうって思ってたんだど、どうやって化けて出ていけばいいのかわからなくてね…諦めてここで歩いてるわけだよ」

彡(゚)(゚)「お前の方が災難やんけ…」

(´・ω・`)「まぁ死んでるから時間にも縛られないし、ゆっくり歩いていこうよ」

彡(゚)(゚)「せやな、これこそ急かん旅や」
30:2018/05/25(金)22:50:12 tat
ワイワイガヤガヤキャーキャー

彡(゚)(゚)「なんか騒がしい連中が来たな、あいつらもワイらと同じ亡者か?」

(´・ω・`)「多分そうじゃないかな?いっぱい女の人連れてて華やかだね」

彡(゚)(゚)「なんで女連れて楽しくしとんねん……なんか腹立って来たわ」

彡(゚)(゚)「おうおう!騒がしいねんお前ら!何者や!」

(;´・ω・`)「絡みに行っちゃった…」
31:2018/05/25(金)22:52:13 tat
一八「へい!何者かとおっしゃいますか!こちらのお方は大家の若旦那でございますよ!」

一八「生前は生ける遊びの神と言われるほどの遊び人でございまして、世界中を飛び回ったもんですよ!」

一八「もう行きたいとこも行き尽くしたし、遊びたいことも遊び尽くした、やりたい事もやり尽くした!なら、『今度はあの世でも行ってみようか』って事になったんですが、どうやって死のうか悩みましたところ!」

一八「そちらに居ます女将さんが『どうせなら美味しい物を食べて死にましょう。河豚の肝は大変美味しいそうですよ』って言いましてね?」

一八「皆んなで、それがええって言って河豚に河豚を用意させて河豚に料理して河豚にあたってこっちに来たんでございます!」

一八「申し遅れましたがワタクシ、太鼓持ちの一八と申します!どうぞよろしく!」
35:2018/05/25(金)22:54:50 tat
(´・ω・`)「うるさい人だね…一人で喋ってるよ」

彡(゚)(゚)「しかし、河豚なんて高価なもの食べてコッチに来たんやな…ワイなんてサバにあたって死んでんねんで」

(´・ω・`)「美味しい食べ物ならまだいいよ?僕なんてヤブにあたったんだよ」

彡(゚)(゚)「んで、そんな大人数連れてどこいくんや?」

一八「へい!この先にある三途川の屋形船で宴会でもしようかと思ってます!さぁ若旦那、皆さん行きましょうか!」

(´・ω・`)「行っちゃったね」

彡(゚)(゚)「うるさい奴だったな…ま、ワイらも行こうか」
36:2018/05/25(金)22:56:25 tat
彡(゚)(゚)「しかし、三途の川か…ホンマにあったんやな」

(´・ω・`)「しかも屋形船って…世界観どうなってんのさ」

彡(゚)(゚)「生前は暗いイメージしかなかったけど実際はそうでもないのかもしれんな」

(´・ω・`)「とか言ってたら看板が見えてきたよ?」

彡(゚)(゚)「三途の川…この先500m….か」

(´・ω・`)「三途の川までもうちょっとだね」

彡(゚)(゚)「ちょっと疲れたわ、そこのお茶屋で休憩するで」
37:2018/05/25(金)22:58:12 tat
彡(゚)(゚)「お邪魔するで」

奪衣婆「いらっしゃい!何になさいます?」

彡(゚)(゚)「えーっと、メニュー表はこれか」

(´・ω・`)「まぁ、お茶屋なんて置いてあるものは大体同じだと思うけど…ん?」

彡(゚)(゚)「らくがん、ハクセンコウ?」

(´・ω・`)「粟おこしに…葬式饅頭?」

彡(゚)(゚)「お供え物ばかりやんけ」

奪衣婆「あの世ですからね、仕入先は皆様のお供え物からですので」

彡(゚)(゚)(´・ω・`)「………」
38:2018/05/25(金)23:00:18 tat
彡(゚)(゚)「まぁ、団子でええやろ」

(´・ω・`)「僕はハクセンコウで」

奪衣婆「かしこまりました」

奪衣婆「はい、お待ちどうさま」

彡(゚)(゚)「早いな」

(´・ω・`)「持ってくるだけだから作る必要ないもんね」

彡(゚)(゚)「三途の川におばちゃんか…もしかして」

奪衣婆「はい、わたしが奪衣婆ですよ」
39:2018/05/25(金)23:02:46 tat
(´・ω・`)「じゃぁ僕たち服を脱がされちゃうの?」

奪衣婆「いいえ、そんなことはしません」

彡(゚)(゚)「でも、奪衣婆と言ったら亡者の服を剥ぎ取るやつやろ?」

奪衣婆「昔はそうしてたんですけどね、ある時に亡者達からのストライキがおきましてね…」

奪衣婆「閻魔様から「もう亡者の服を取るのは辞めにしよう」と言われましてね?戦後あたりから服を取るのはやめたんですよ」

彡(゚)(゚)「はえー…あの世も大変なんやな」

奪衣婆「でも、私の姉がやってるスナック 定塚では、お勘定が足らなくなった人が服を取られたりしてますね」

(´・ω・`)「あー…別の意味でね」
42:2018/05/25(金)23:05:21 tat
彡(゚)(゚)「ごちそうさん!ほな行こうか」

(´・ω・`)「うん」

奪衣婆「またのお越しを~」

彡(゚)(゚)「三途の川渡ったらもう来ることないやんけ」

(´・ω・`)「臨死体験とかで三途の川の向こうに亡くなったお爺さんが手招きしてたとか聞くけど」

(´・ω・`)「その人達はここのお茶屋でゆっくりしてたりするのかな?」

彡(゚)(゚)「知らんわ…」
43:2018/05/25(金)23:07:16 tat
彡(゚)(゚)「三途の川に着いたで」

(´・ω・`)「どうやって渡るんだろう?」

鬼の船頭「おう、お前らこっちだ」

彡(゚)(゚)「渡し船で渡るんか」

(´・ω・`)「お茶屋の奪衣婆の話だと、昔の風習とかが変わってるみたいだけど…渡し船は変わらないんだね」

鬼の船頭「そう言うな…確かに戦後からいろいろと変わったりしたんだがな」

鬼の船頭「渡し船からモーターボートに変わったり亡者にカヌーを貸し出して自分で渡らせたり…最近まではコンピューターで設定して無人船でやってたりしてたんだがな…」
45:2018/05/25(金)23:09:21 tat
彡(゚)(゚)「そんな便利なモノがまたなんで」

鬼の船頭「ある時に、そのコンピューターがハッキングされる大事件が起きてな…船が動かなくなって亡者が三途の川を渡れなくて溢れかえる…ということが起きたんだ」

鬼の船頭「俺たち船頭達と閻魔様でどうしようか会議した結果、渡し船に戻すことになったんだ」

(´・ω・`)「まぁ、でもこれはこれで風情があっていいね」

鬼の船頭「そうだろ?他の亡者達や鬼の連中からも評判でな!若い鬼達の間では『鬼スタ映えする!』と人気なんだとさ」
47:2018/05/25(金)23:11:55 tat
彡(゚)(゚)「なんや…その鬼スタ映えって」

鬼の船頭「お前らの生前にもあっただろ?えーっと…インスタグラムだっけか?それがこっちでは鬼スタグラムなんだ」

(´・ω・`)「………」

彡(゚)(゚)「あの世も現世と変わらんのやな」

鬼の船頭「さぁ!世間話もいいが船に乗れ!そろそろ出発の時間だ」

(´・ω・`)「行こうか、おにいちゃん」

彡(゚)(゚)「せやな」
48:2018/05/25(金)23:13:30 tat
ガヤガヤ…

(´・ω・`)「思ったより人がいるね」

彡(゚)(゚)「しかし、あの鬼の船頭はいい体してるな…渡し船の船頭だけあってムキムキやで」

(´・ω・`)「カブレラみたいな体してるもんね」

彡(゚)(゚)「三途の川を渡ったら…確か十王審査だっけか?」

鬼の船頭「いや、十王審査はもう廃止になった。閻魔様だけでやってる」

彡(゚)(゚)「ふぁっ!?十王クビになったんか?」

鬼の船頭「人件費削減だ…まぁ、退職金で一生遊べる金が入ったから文句言う奴はいなかったがな……さてと」

ガラガラガラ ドボン!
49:2018/05/25(金)23:15:12 tat
彡(゚)(゚)「おい!なんで錨を下ろすねん!まだ川の真ん中やぞ?」

(´・ω・`)「体はカブレラだけど頭はカラカラなの?ねぇ」

ギャーギャー
「早く渡せー!」
「そうだそうだ!」
「早くしろ~!」
ワーワー

鬼の船頭「やかましい!これから渡し銭を貰っていく」

彡(゚)(゚)「金とるんか?」

鬼の船頭「当たり前だ!ボランティアでやってるんじゃないんだぞ」
50:2018/05/25(金)23:17:10 tat
彡(゚)(゚)「さっきまで気さくに話してくれたやん…ワイだけタダにしてや」

(´・ω・`)「じゃぁ僕も」

鬼の船頭「俺だって三途の川を渡るくらいはタダでいいんじゃないかと思ってるよ…だが閻魔様からの指示でな」

彡(゚)(゚)「十王をクビになんかするから金に困っとるんやろ…」

鬼の船頭「だが指示は指示だ…お前らから渡し銭を回収する!心を鬼にして!………もう鬼だけど」

彡(゚)(゚)「…」

(´・ω・`)「…」
51:2018/05/25(金)23:19:15 tat
鬼の船頭「よし、じゃぁ一人づつ死因を言ってくれ」

男「なら私から…私は腎臓を患いまして亡くなりました」

鬼の船頭「腎臓だな、ちょっと待てよ」スィーッ スイーッ

彡(゚)(゚)「何しとるんや?」

(´・ω・`)「まさかそれiPad?」

鬼の船頭「現世では iPad、こっちではBean社のoniPadだ」

(´・ω・`)「oniPad……」

彡(゚)(゚)「んで、何見てるんや」

鬼の船頭「料金表だ」
53:2018/05/25(金)23:21:16 tat
(´・ω・`)「船頭なのに覚えてないの?」

鬼の船頭「これ専門の奴もいたんだがな…さっきも言ったように人件費削減ということで船頭一人で船と料金表をな」

彡(゚)(゚)「はえー…大変やな」

鬼の船頭「えーっと…し…し…子宮ガン、なるほどな……し…じ…じ…あったこれか」

鬼の船頭「えー…腎臓は16円だ」

男「なんで16円なんです?」

鬼の船頭「尿の出にくくなる病だから、シーシー(4×4)の16ということだ」

彡(゚)(゚)「いろんな意味で汚い勘定やな…」
54:2018/05/25(金)23:23:04 tat
男「じゃ、16円ですね…」

鬼の船頭「1万6千円だ」

男「へっ?16円じゃないんですか?」

鬼の船頭「閻魔様から御触れが出て千倍取れってことになったんだ」

鬼の船頭「閻魔様のインフレーション、略してエンフレだ」

男「………」

彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「……」

鬼の船頭「はい、じゃぁ次」
55:2018/05/25(金)23:25:12 tat
オッサン「私は肺ガンですね」

鬼の船頭「あー…タバコの吸い過ぎだな?パッケージにも吸い過ぎに注意しましょうって書いてあるが、愛煙家はそんなもの気にしてないよな」

鬼の船頭「隙あらばパッパパッパ吸いまくったんだろ?」

鬼の船頭「これはよく覚えてるぞ、パッパ(8×8)64の6万4千円だ」

鬼の船頭「よし、次はなんだ?」

中年「俺はコレラだ」
56:2018/05/25(金)23:27:04 tat
鬼の船頭「コレラか…腹の下る病気だな…一日中トイレに籠りっぱなしなんだろ?」

中年「そうだな…辛かったわ」

鬼の船頭「そうだろ?だからピチピチ(7×7)49で4万9千円だ」

中年「汚い勘定だな…」

鬼の船頭「はい、次は?」

若者「俺はワニに頭食べられて死んだんすわw」

鬼の船頭「ワニにか?なんでまた」
57:2018/05/25(金)23:29:11 tat
若者「いやねwツレ達と動物園に行ってたんすけど、何か伝説残したいなぁーってことで!ワイのいる檻に入ったんですわw」

鬼の船頭「またバカなこを…」

若者「そんでーwwワニが口を開けてるとこに頭を入れてる姿をTwitterにアップしようとしたんですよーw」

若者「そwしwたwらwハイチーズ!のズ!の瞬間にパクっwてw」

鬼の船頭「……」
58:2018/05/25(金)23:31:37 tat
鬼の船頭「アホ過ぎないか…これが現世で流行ってるバカッターてやつなのか…」

鬼の船頭「そんな死因なんて料金表にないぞ?………うーん……まぁ俺が勝手に決めるか」

鬼の船頭「ワニに食われて死んだんだな?だだったら1万6千円だ」

若者「なんでですか?w」

鬼の船頭「ワニワニワニワニ…ニワニワニワニワニハニハニハニハでニハ(2×8)で16」

若者「クッッッソwwニハチじゃないんすかww」

鬼の船頭「なんか腹立つ喋り方だな…まぁいい、はい次」
59:2018/05/25(金)23:33:13 tat
彡(゚)(゚)「ワイはサバにあたったんや」

鬼の船頭「それなら2万4千円だ」

彡(゚)(゚)「なんでや?」

鬼の船頭「サバ(3×8)24」

彡(゚)(゚)「あぁ、なるほどな」

(´・ω・`)「僕はヤブ医者の薬で」

鬼の船頭「それは災難だったな…んー、2万円だな」

(´・ω・`)「なんで?」

鬼の船頭「誤診(5×4)20」

(´・ω・`)「………」
61:2018/05/25(金)23:35:17 tat
鬼の船頭「………………よしっと、これで全員だな」錨アゲー

鬼の船頭「じゃ、出発するぞー」

彡(゚)(゚)「やっと向こうにいけるんか」

(´・ω・`)「なんか、あの世って感じがしないね………あれとかどうなの?」

彡(゚)(゚)「ん?…あ!さっきの大家の若旦那が引き連れてた集団やんけ!」

(´・ω・`)「本当に屋形船で宴会してる…あれでも三途の川を渡ったことになるの?」
64:2018/05/25(金)23:38:05 tat
彡(゚)(゚)「あの一八とかいうヤツ芸しとるで?」

(´・ω・`)「お盆で股間隠して見えないようにイロイロやるあれだね」

彡(゚)(゚)「おうおうおう!鬼の船頭!あんなんズルやないんか?」

鬼の船頭「金さえ払えば屋形船だろうがクルーザーだろうが何でもいいんだよ」
65:2018/05/25(金)23:40:11 tat
鬼の船頭「言い忘れとったが、これを渡ったら街になってるからな!ショッピングもできるしエステも遊ぶとこもイロイロあるからな」

彡(゚)(゚)「はえー…死んでんのにエステはいらんやろうけど」

(´・ω・`)「あの世で買い物とか遊ぶとことか…なんか楽しそうだね」

鬼の船頭「向こうに着いたら観光案内所があるから、そこでイロイロ聞くといいだろう」

彡(゚)(゚)「わかったで」

(´・ω・`)「お世話になりました」


以上、地獄八景亡者戯 前編でした

次回は後編 六道の筋から閻魔庁です
彡(゚)(゚)「ついに死んでしもうた」
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1527255024
1:2018/05/26(土)21:42:08 vqG
彡(゚)(゚)「さぁ!ついたで!」

(´・ω・`)「ほんとに街みたいになってるね」

彡(゚)(゚)「鬼の船頭が言うてた観光案内所っていあのはあそこやな?」

(´・ω・`)「今更だけど、あの世に観光案内所だとかどうなってるんだろうね」

彡(゚)(゚)「まぁ行ってみようや」
3:2018/05/26(土)21:44:01 vqG
彡(゚)(゚)「こんにちはー」

青鬼「いらっしゃいませ」

(´・ω・`)「僕たち今の船でここに着いたんだけど、この街はなんなの?」

青鬼「ここは六道の筋でございますよ。ほら、道が六つに分かれてるでしょ?」

彡(゚)(゚)「あぁ、なるほどな」

彡(゚)(゚)「そんで?この街には何があるんや?」
7:2018/05/26(土)21:46:02 vqG
青鬼「そうですね…先ずは旅館やホテル等を紹介しましょうか」

(´・ω・`)「へー、泊まれるんだ」

青鬼「有名なところだと、リバーサイドホテル賽の河原、地獄温泉旅館とか」

彡(゚)(゚)「熊本やんけ」

青鬼「いえいえ、現世では阿蘇ですが、こちらは黄泉です」

彡(゚)(゚)「はえー…」
9:2018/05/26(土)21:48:31 vqG
青鬼「卒塔婆荘というとこは混浴がございますよ」

彡(^)(^)「お!ええやんけ!」

青鬼「まぁ、入ってるのはババアとジジイしかいませんけどね」

彡(゚)(゚)「じゃぁ入らんわ」

(´・ω・`)「ねぇ、買い物できるって聞いたんだけど」

青鬼「買い物ですね?それならそこの大通りに出ると大きな建物が並んでるのが見えるでしょ?そこで出来ますよ」

青鬼「ちなみにこの大通りを冥土筋っていうんですよ」
10:2018/05/26(土)21:50:39 vqG
彡(゚)(゚)「冥土筋?」

(´・ω・`)「冥土筋…?御堂筋じゃなくて?」

青鬼「ええ、こちらは冥土筋」

彡(゚)(゚)「まぁ、その辺はどうでもええわ…それよりも何が買えるか教えてくれや」

青鬼「そうですね…コスプレショップなんていかがです?」

(´・ω・`)「僕らの今の服装がもうコスプレみたいなものだけどね」

青鬼「死装束とか」

彡(゚)(゚)「今着とるんやけどな…」
11:2018/05/26(土)21:52:13 vqG
青鬼「後は野菜ですね…茄子とかキュウリとか」

(´・ω・`)「きうり!!!!!!」

彡(゚)(゚)「うっさいわ!急に大声出すな」

(´・ω・`)「だって!きうりだよ!これは買わなきゃ!」

青鬼「あ、勘違いされると困るので言っときますけど食べる為の物じゃないですからね」

(´・ω・`)「………え?」

青鬼「私の言う野菜は乗り物です」

彡(゚)(゚)「あぁ、お盆の帰省する為のか」

青鬼「ちなみに現世で車を買うくらいの値段しますね」

(´:ω;`)
12:2018/05/26(土)21:54:24 vqG
青鬼「後はまぁ、街を散策していただけるとわかると思います」

青鬼「繁華街や劇場、映画館なんかもあるので、詳しいことはそれぞれのスタッフに聞いてください」

彡(゚)(゚)「おう、わかったで」

(´・ω・`)「なんかワクワクしてきた」

彡(゚)(゚)「あの世だからこそできる映画となあるんやろうな」

(´・ω・`)「亡くなったベテラン俳優とか出てるのかな?」

彡(゚)(゚)「まぁ行ってみようや!」
13:2018/05/26(土)21:56:06 vqG
彡(゚)(゚)「よし、先ずは繁華街!夜の街やで!」

(´・ω・`)「現世と同じ様なで妖艶な雰囲気だね」

彡(゚)(゚)「とりあえず、そこのボーイみたいな奴に聞いてみるか」

彡(゚)(゚)「おう、ここは何をやっとるんや?」

ボーイの鬼「いらっしゃいませ!ここはショーパブになってます」

彡(゚)(゚)「ショーパブか…何をやるんや?」
14:2018/05/26(土)21:58:09 vqG
ボーイの鬼「イロイロありますよ!当店一番の人気は骸骨のえちえちショー!」

彡(゚)(゚)「………ふぁ?」

(´・ω・`)「骸骨ってあの骸骨?」

ボーイの鬼「骸骨に、あのもこのもございません」

彡(゚)(゚)「あれ以上に何を脱ぐんや…」

(´・ω・`)「骸骨が服を着てたとしても全然興奮しないね…」

彡(゚)(゚)「何が楽しいんやろ…」
15:2018/05/26(土)22:00:13 vqG
ボーイの鬼「後は幽霊のラインダンスなんてものもあります!」

彡(゚)(゚)「ラインダンスってあれやろ?」

(´・ω・`)「横一列に並んで足を上げるやつでしょ?」

ボーイの鬼「そうですが?」

彡(゚)(゚)「幽霊に足なんてないやんけ」

ボーイの鬼「まぁ、一度ご覧になればハマると思いますよ!さぁ!中へどうぞ!」

(´・ω・`)「いや、辞めときます」

彡(゚)(゚)「次行こう!次!」
16:2018/05/26(土)22:02:02 vqG
彡(゚)(゚)「おう、ここはなんや?」

鬼ギャル「ちぃーっす!ここは激ヤバなライブ会場っすー」

(´・ω・`)「鬼が鬼ギャルメイクしてる…」

彡(゚)(゚)「もう訳分からんわ」

鬼ギャル「ウチはここのスタッフなんですよぉー!お兄さんたち運がマジで鬼ヤバですよぉ!今日は織田信長と羽柴秀吉のツーマンライブがあるんですー!マジやばくない?」

彡(゚)(゚)「歌っていってもあいつら違う歌やろ?盛り上がるんか?」

鬼ギャル「今日はぁ、去年くらいにヒットした織田信長の『履きたくて』って歌をやってくれるんっすぅ」
17:2018/05/26(土)22:04:17 vqG
彡(゚)(゚)「なんやねん…履きたくてって…」

鬼ギャル「お兄さん達の現世で『会いたくて』ってあったっしょ?あれのリズムで…」

鬼ギャル「『履きーモノ 冷ーたぁくて ふるーえーるー』っていう感じで歌うんすよー」

(´・ω・`)「無理矢理感が凄い…」

彡(゚)(゚)「ちなみに秀吉は?」

鬼ギャル「履きたくてのアンサーソングなんすよー、「履きーモノ ふとーころで あーたためぇるー」っていう…」

(´・ω・`)「字余り…」

彡(゚)(゚)「……」

鬼ギャル「お気に召さないカンジ?ウケるwwwwww」
18:2018/05/26(土)22:06:04 vqG
彡(゚)(゚)「その2人以外では誰がおるんや?」

鬼ギャル「猿飛佐助とかぁ、徳川家康とかですねぇー」

(´・ω・`)「猿飛佐助はどんな歌を?」

鬼ギャル「ゴダイゴのモンキーマジックwww」

彡(゚)(゚)「徳川家康は?」

鬼ギャル「カチwwwカチwww山www」

(´・ω・`)「…………」

彡(゚)(゚)「もうええわ、次や次」
19:2018/05/26(土)22:08:06 vqG
彡(゚)(゚)「ロクなもんないな」

(´・ω・`)「でも、あの人達が歌ってるのを見たいのは見たいけどね」

彡(゚)(゚)「お!酒屋あるやん!ビール買おうや」

恵比寿「やぁ、いらっしゃい」

(´・ω・`)「あれ?その優しそうな笑顔…もしかして恵比寿様?」

彡(゚)(゚)「七福神がなんで酒屋してんねん」
20:2018/05/26(土)22:10:12 vqG
恵比寿「流石に海に福を流して届けるっていう仕事だけじゃやっていけないんだよ…最初は魚屋だったんだけど一匹売れたら終わりでしょ?」

彡(゚)(゚)「そら一匹しか持っとらんしな」

恵比寿「だからね?現世のYEBISUビールを真似して恵比寿ビールをね?」

(´・ω・`)「なるほどー」

彡(゚)(゚)「他の神様も副業みたいなのとしとるんか?」

恵比寿「うん!してるよー!大黒さんはオニギリ専門店で、薬師如来さんはドラッグストア経営してる」
21:2018/05/26(土)22:12:17 vqG
恵比寿「あと、布袋さんはギタリストになるって言い出してエレキギターを買ったそうだよ」

彡(゚)(゚)「………」

(´・ω・`)「他は?」

恵比寿「他はねー、福禄寿さんのグループホームに、寿老人のジビエ料理屋」

彡(゚)(゚)「ちょ、まさか鹿とか出してないよな?」

恵比寿「お、よく知ってるね!あそこの鹿が凄く美味しいんだよ」

彡(゚)(゚)「(アカン…)」
22:2018/05/26(土)22:14:15 vqG
(´・ω・`)「いろいろ見てきたけど…僕達は結局は閻魔様のところに行かないといけないんだよね?」

彡(゚)(゚)「十王をクビにするなんてアホなことするから閻魔様のトコへ直行やもんな」

恵比寿「閻魔庁ならこの道をまっすぐ行けば着くよ」

彡(゚)(゚)「ホンマか?ありがとやで」

(´・ω・`)「じゃ、行こうか」

恵比寿「お気をつけてー!」
23:2018/05/26(土)22:16:12 vqG
ワイワイ ガヤガヤ

彡(゚)(゚)「はえー、沢山の亡者達やな」

(´・ω・`)「あの大きな扉の向こうに閻魔様がいるんだね」

彡(゚)(゚)「早く開けろや…」

鬼の警備員「おう!お前ら静かにしろ!これから俺たち警備員が死因と年月日聞いていく、そして番号札をわたすからその番号順に並ぶように!」

(´・ω・`)「なんで警備員が?」

鬼の警備員「昔は扉を解放していて好きな時に閻魔様のお裁きを受けられるようにしていたんだが、近年は災害やらで亡者達が溢れかえってな」

鬼の警備員「その時に亡者達が将棋倒しになって大騒ぎしたんだ…それからこうやって整列させるようにしてな」

彡(゚)(゚)「あの世はどこも大変やな」
24:2018/05/26(土)22:18:38 vqG
鬼の警備員「おう!番号札は貰ったな?寿命、病気の者は1~30番!事故死は31~60番!自殺や他殺の者は61~100番!その他は101~120番!素早く並べ」

亡者の男「おう!鬼さんよ!35番のとこ誰もおらんぞ!」

鬼の警備員「なに?……あぁ、そこは今は鬼幹労連の会議に出てるからいない!他に並べ」

鬼の警備員「おいこら!うろちょろするな!ほら並べ!」

彡(゚)(゚)「あの鬼はテキパキ動けるんやな」

(´・ω・`)「そうだね…あ、扉が開くよ」

彡(゚)(゚)「ついに閻魔様とご対面か」
25:2018/05/26(土)22:20:13 vqG
ゾロゾロ…ゾロゾロ…

彡(゚)(゚)「ここが閻魔庁か」

(´・ω・`)「舌を抜く釘抜きに浄玻璃の鏡…本当にあるんだね」

赤鬼「ようし…揃ったな?これから閻魔様がお見えになるから静かにするように」

彡(゚)(゚)「いよいよやな…」

(´・ω・`)「ドキドキするね」

赤鬼「では閻魔様!お願いします!」
26:2018/05/26(土)22:22:05 vqG
閻魔「うおっほん!…うむ、皆揃っておるな」

閻魔「赤鬼よ、亡者達のリストを持ってこい」

赤鬼「ははっ!こちらに」

閻魔「うむ………ん?この亡者の心抜けとはなんだ?」

赤鬼「はい、本人はこちらにいるのですが…心臓だけ移植されてますので」

閻魔「心臓だけがまだ動いてるということか………医療の技術が進むとややこしいな」

閻魔「………よし、相わかった!」
27:2018/05/26(土)22:24:36 vqG
閻魔「本来ならば一人づつ裁きを行うが、今日は先代閻魔の誕生日のため宴会が行われる」

閻魔「だから今から呼ばれる者が地獄行きで他は極楽へ通す」

彡(゚)(゚)「適当過ぎない?」

閻魔「やかましい!少しでも遅くなると先代がヘソを曲げてしまうからな…早く済ませないといけないのだ!では、呼ぶぞ」

閻魔「まずは、詐欺師の洞吹(ほらふき)!お前は怪しげな宗教を開き、胡散臭い奇跡などを披露して数々の人から金をむしり取った!よって地獄行きだ!」

洞吹「えー…騙してはないんだけどな」
28:2018/05/26(土)22:26:07 vqG
閻魔「次は軽業師の野良一!お前はハラハラするような芸を行い観客の寿命を縮めた為、地獄行き!」

野良一「理不尽過ぎない?」

閻魔「次は…やきう!お前は所構わず糞尿を撒き散らすから地獄行き」

彡(゚)(゚)「ふぁっ!?」

(´・ω・`)「地獄行きだってさwww僕は極楽で悠々と暮らしていくよwwwグッバイwww」

彡(゚)(゚)「くそが!!」

閻魔「最後は、原住民!やきうの友達なら同類だ」

(´・ω・`)「」
29:2018/05/26(土)22:28:16 vqG
閻魔「今呼んだ者達以外は皆、極楽行きだ」

彡#(゚)(゚)「ちょっと待てや!」

(#´・ω・`)「おにいちゃんのせいで僕まで地獄行きじゃないか!」

野良一「ハラハラさせる芸の何がいけないんだ!」

洞吹「胡散臭いってなんだ!あれは本当に奇跡の力をだな!」

閻魔「やかましい!鬼達よ!こいつらを熱湯の釜へ連れて行け!」
30:2018/05/26(土)22:30:05 vqG
グツグツ…

彡;(゚)(゚)「アッッツ!近くにおるだけでも汗が吹き出るわ」

(;´・ω・`)「こんなのに入ったら茹で蛸みたいになっちゃう」

野良一「僕は最後でいいから、誰かお先にどうぞ」

彡(゚)(゚)「お前が先には入れや」

野良一「嫌です!死にたくない!」

(´・ω・`)「もう死んでるじゃん」

洞吹「まぁまぁ…ここは俺に任せなさい」
31:2018/05/26(土)22:32:18 vqG
彡(゚)(゚)「お前は洞吹だっけか?なにかいい案でもあるんか?」

洞吹「水の印を結ぶ…そうすれば入っても大丈夫だ」

(´・ω・`)「本当に胡散臭いね」

野良一「こんなので金が取れるんだからな」

鬼「早く入れ!グズグズするな!」

彡(゚)(゚)「鬼達も急かしとるやんけ…早よしろや詐欺師」

洞吹「ふん、なんとでも言え…ちゃんと修行は積んでるんだ…」ブツブツ…
32:2018/05/26(土)22:34:30 vqG
野良一「何かブツブツと唱えてるぞ?」

彡(゚)(゚)「呪文か?神宮の風とか、研ぎ澄ませとか言ってるな」

(´・ω・`)「どこかで聞いたことあるね」

洞吹「よし!もう大丈夫だ!入ってみろ」

野良一「胡散臭すぎる…」

彡(゚)(゚)「まぁ、こんな時はこうするんや」

(´・ω・`)「どうするの?」

彡(^)(^)「こうや!」ドンッ

ザブン!

(´;ω;`)「うわあああ!何で押すの!?いやぁーー!ダシがとれちゃうううう!」ジタバタザバザバ
33:2018/05/26(土)22:36:10 vqG
(´・ω・`)「………あれ?」

彡(゚)(゚)「どうしたんや?」

(´・ω・`)「いい湯加減だ」

野良一「まじでか!なら僕も!」ザブン

彡(^)(^)「ワイも!」ザブン

洞吹「言っただろう?俺の奇跡は本当の力なんだ」ザブン
34:2018/05/26(土)22:38:14 vqG
彡(^)(^)「ホンマや!これはいい湯加減や!」

野良一「はぁー…極楽、極楽」

(´・ω・`)「あれを歌いたくなるね」

彡(^)(^)「ババンババンバンバン」

野良一「あびばののん!」

(´・ω・`)「ババンババンバンバン」

洞吹「はぁ~あびばののん」

彡(^)(^) (´・ω・`) 洞吹 野良一「いーい湯だな!あははん!いーい湯だな!ははん!」
36:2018/05/26(土)22:40:12 vqG
鬼「大王様!申し上げます!」

閻魔「なんだ?騒々しい…」

鬼「熱湯の釜へ連れて行った亡者共が『いい湯加減だ』と言って満喫しております!」

鬼「亡者の中の一人、洞吹が水の印を結び丁度いい温度に調整したようです!」

閻魔「何だと!?よし、儂も様子を見てみよう」

鬼「お願いします」
37:2018/05/26(土)22:42:12 vqG
彡(^)(^)「ババンババンバンバン」

野良一「あびばののん!」

(´・ω・`)「ババンババンバンバン」

洞吹「はぁ~あびばののん」

彡(^)(^) (´・ω・`) 洞吹 野良一「いーい湯だな!あははん!いーい湯だな!ははん!」

鬼「そして、さっきからこのフレーズだけを繰り返して歌っております…」

閻魔「それ以上知らないのか…むう…」

閻魔「よし、此奴らを針の山へ連れて行け」

鬼「はっ!」
38:2018/05/26(土)22:44:35 vqG
彡(゚)(゚)「針の山に連れてこられたが……」

(´・ω・`)「凄い刃物の数だね」

洞吹「これを登れというのか」

野良一「ここは僕にお任せを」

彡(゚)(゚)「お前は確か軽業師だったな?いけるんか?」

野良一「生前は芸の為に部屋の畳を全て刀に変えて過ごしてたからね。このくらいなら、君達を背負ってでも余裕だよ」

洞吹「おお、頼もしいな」

(´・ω・`)「刀の上を歩いたりするのは、足の裏を鍛えまくった結果の芸なんだね…」

彡(゚)(゚)「じゃ、ワイから頼むで」
39:2018/05/26(土)22:46:10 vqG
野良一「しっかりつかまっててよ?」

彡(゚)(゚)「おう」

野良一「それじゃ…軽業師の若竹屋の野良一!これより針の山を登ってみせようぅ!」ダダダダダ…

彡(゚)(゚)「なんや今の…」

野良一「口上がないと気分が乗らなくてね…」ヒョイヒョイヒョイ

野良一「さ、頂上に着いたよ」

彡(゚)(゚)「ふぁ!?もう着いたんか?」

野良一「あと2人もすぐに上げてくるよ!」
40:2018/05/26(土)22:48:10 vqG
彡(^)(^)「やっっっほおおおー」

(´・ω・`)「針の山の頂上から見える地獄の景色も乙なもんだね」

野良一「ふう…流石に疲れた」

彡(゚)(゚)「しかし、降りる時はどうするんや?」

洞吹「俺が錆の印を結ぼう…これをすれば、ここにある刃物は触るだけでポキポキ折れる」

彡(^)(^)「楽しそうやな!」

野良一「皆んなで下まで滑ろう!」

彡(^)(^)(´・ω・`) 洞吹 野良一「イイィィィィィヤッッッホオオオオオオオ!」バキバキバキバキバキバキ
41:2018/05/26(土)22:49:21 RBn
はえ~すっごい
42:2018/05/26(土)22:50:05 vqG
鬼「大王様!大変です!またもや洞吹の印により!針の山の刃物が折られてハゲてしまいました!」

閻魔「ハゲの話はするな…」 シュン…

鬼「ションボリしてる場合ではないですよ!早く次の手を!」

閻魔「うむ…そうだな…よし!人呑鬼はおらぬか?」

人呑鬼「お呼びで?」

閻魔「あそこの亡者達を丸呑みにしてしまえ!」

人呑鬼「あいあいさー」
43:2018/05/26(土)22:52:14 vqG
ドシン…ドシン…

彡(゚)(゚)「なんや?地震か?」

(;´・ω・`)「あ…あれ」

野良一「デカすぎぃ!」

洞吹「あれはまさか…」

人呑鬼「お前らだな?」4人共掴み

人呑鬼「いただきまーす」ヒョイパク~

洞吹「人呑鬼だぁあああ!」

彡;(゚)(゚)(;´・ω・`)野良一「うわあああ!」
44:2018/05/26(土)22:54:19 vqG
彡(゚)(゚)「丸呑みにされてしもうた…」

野良一「ここは人呑鬼の胃の中か」

洞吹「早く出ないと溶かされてしまうぞ?」

(´・ω・`)「他に便利な印はないの?」

洞吹「流石に胃の中に入れられる事は予想してなかったからな…残念ながらないな」

野良一「くそう…ここまでか」

彡(゚)(゚)「………いや、一つだけあるで」
45:2018/05/26(土)22:54:42 RBn
まさかここで・・
46:2018/05/26(土)22:56:04 vqG
(´・ω・`)「………あぁ、なるほどね」

野良一「…?わからん!教えてくれ!」

洞吹「どうすればいいんだ!」

彡(^)(^)「ワイがあることをするだけや!この人呑鬼にあの性癖がなければ行けるで!」

(´・ω・`)「おにいちゃんの得意分野だもんね」




彡(^)(^)「さぁ!脱糞タイムや!」
47:2018/05/26(土)22:58:31 vqG
人呑鬼「ん?なんか腹の中がおかしい…」

……アアア…

人呑鬼「何か聞こえる…………ウグッ!」

アアアアア…!!!

人呑鬼「オ"…オエエエエエエエ!!」ゲロゲロ

彡(^)(^)「アアアアアアアアアア!!」ブチブチブリュ!

(´・ω・`)「くっっっさ!」

野良一「オェー!」

洞吹「糞と人呑鬼の吐瀉物まみれになったが……出れたぞ!」
48:2018/05/26(土)23:00:12 vqG
人呑鬼「もう嫌だ!おえっ!帰る!オエーーー!!」

閻魔「貴様らぁ!よくも人呑鬼を!」

彡(^)(^)「スッキリしたで!」

(´・ω・`)「助かったー!」

野良一「さぁ!次はどんな地獄で遊ばせてくれるのかな?」

洞吹「好き放題できるから地獄の方が俺らの性に合ってるな」

閻魔「ならば、儂が直々に手をくだそう…特別な地獄行きだ……」
49:2018/05/26(土)23:02:05 vqG
彡(゚)(゚)「特別な地獄?なんやそれ」

閻魔「とりあえず、地獄から追い出してやる!はぁっ!」

彡(゚)(゚)「時空がゆがんでる!?」

(;´・ω・`)「うそおおおお!」

野良一「うわあああ!」

洞吹「ぎゃあああ!」
51:2018/05/26(土)23:04:05 vqG
……ちゃ………ん

お………ん

彡(゚)(゚)「ん……ここは?」

(´・ω・`)「やっと起きた?」

彡(゚)(゚)「あれ?閻魔は?」

(´・ω・`)「何言ってるの?」

(´・ω・`)「おにいちゃんは昨日、僕と真弓と畜ペンで徹夜で大富豪してたじゃないの」

彡(゚)(゚)「そうやったっけ?」
52:2018/05/26(土)23:06:03 vqG
彡(゚)(゚)「いやでも…ワイと原ちゃんが死んで…地獄で洞吹や野良一とやりたい放題して…」

(´・ω・`)「なんの話?頭おかしくなった?」

彡(゚)(゚)「あー…なんか思い出してきたわ」

(´・ω・`)「じゃ、賭けのことも覚えてるよね?」

彡(゚)(゚)「………賭け?」

(´・ω・`)「そうそう、おにいちゃんたら全部大貧民で終わってるから凄い額になってるよ」

彡(゚)(゚)「ふぁ!?」
54:2018/05/26(土)23:08:50 RBn
55:2018/05/26(土)23:09:23 vqG
彡(゚)(゚)「ちなみに……ナンボや?」

(´・ω・`)「僕に15万円、真弓に25万円、そして畜ペンに100万円だよ」

彡()()「ちょ…いくら賭けや言うても遊びやろ?」

(´・ω・`)「僕らは別によかったんだよ?」

(´・ω・`)「でも、おにいちゃんは『いや!負けた額は払わないとあかん!それが男や!』って」

(´・ω・`)「それで怪しい金融会社にお金を借りて来て僕らには払ってくれたじゃない」

彡(゚)(゚)「ふぁ?なんでそんなとこに…」

(´・ω・`)「知らないよ…まぁ、借りたものは返さないといけないから頑張ってね!」


彡()()「はぁ…これから借金地獄か…」

以上 地獄八景亡者戯 後編でした
56:2018/05/26(土)23:09:31 Hxe
57:2018/05/26(土)23:10:13 vqG
見てくれた人はありがとやで!
58:2018/05/26(土)23:10:26 RBn
生き返らせて借金背負うのが地獄ということか・・

イッチ乙
61:2018/05/26(土)23:13:02 vqG
補足として…

この地獄八景亡者戯という噺のサゲは前スレで言ってたように
亡者達に腹の中で好き放題されてる人呑鬼は、下剤を飲んでケツから出したいということで閻魔大王も呑もうとしてサゲるんや

これは薬の大黄と大王をかけてるんやで
62:2018/05/26(土)23:16:00 vqG
そして、桂枝雀は大黄の知名度が低いから分かりにくいだろうと思ってサゲをオリジナルに変える

亡者達に腹の中で好き放題されてる人呑鬼が閻魔に助けを求める
閻魔は「極楽に行かせるから出てこい」と言う
喜んで出てくる亡者達をだが、鬼に取り押さえられてしまう
閻魔は「あれは嘘だ」と言う
亡者達は「閻魔が嘘をついた!」と言ったため閻魔が舌を抜かれるというサゲ
64:2018/05/26(土)23:18:50 vqG
そしてワイからの噺は今回で最後や
今まで見てくれた人も、そうでない人も本当にありがとやで

ほなまた

彡(゚)(゚)「落語ニキシリーズ」